人工透析室で働く看護師の仕事は、主に3つある。
1つ目は、患者への透析業務だ。
まず、人工透析の機械を準備し、患者の体重や血圧を測って状態を確認する。それから透析用の針を刺し、血液回路をつないで血液を浄化した後、針を抜いて止血する。
針を刺す際には、通常よりも太さがある透析用の針を、シャント血管という患者の腕につくられた血管にうまく差し込まなくてはならない。そのため、針を刺すのは思いのほか大変で、スムーズに行うには慣れや技術が必要だ。
2つ目は、透析を行う患者を観察することだ。
透析前から透析中、透析後まで、体温や血圧、脈拍などを測るバイタルチェックを行う。これは、透析で患者の状態が変わりやすいためだ。透析中に血圧が下がってしまったり、気持ち悪くなってしまう人もいるので、よく観察して対処しなくてはならない。足がつってしまう人には、フットケアを行う。
3つ目は、患者の健康管理をすることだ。
人工透析の患者は、食事や行動などが制限されている。透析患者は腎臓のろ過機能が働かなくなっているので、カリウムや塩分などを取りすぎることは厳禁となる。また、針を刺すシャント血管に負担をかけないよう、この血管がある腕では重いものを持ってはいけない。
他にも、血管から感染しないよう透析した日はシャワー浴に留めるなど注意点は多く、日ごろの過ごし方に細かい指導を入れるのも看護師の仕事だ。制限があり、ストレスがたまってしまう患者も多いが、本人の予後を良好にするためにも患者の生活管理を徹底する必要がある。